- ハローワーク池袋には朝から職を求める若者や女性らがひっきりなしに訪れる。
- 昨秋解雇された板橋区の男性(41)は「どんどん求人数が減っている。1件の求人に対し100人が応募することもある」と途方に暮れている。
- 職と住まいを失った人に神奈川県が提供している施設では32人が不安の毎日を過ごす。
- 機械器具製造会社を解雇された男性(46)は、月13万円の失業手当でやりくりをするが食事は1日に1回、白米とインスタントラーメンで空腹を紛らわす。
- 中野区の女性(56)は約12万円の失業手当から、昨年の収入を基準とした税金や社会保障を差し引かれると5万円しか残らない。「今の政策が現場では矛盾だらけなことに政治は気がついていない」という。
- 新宿区の男性(46)は妻と相前後して職を失った。「年越し派遣村」に足を運んだ。「派遣村は本来なら国がやるべき仕事」と腹を立てる。
- 半導体部品製造工場で派遣切りにあった松戸市の男性(36)は、民主党などは製造業派遣禁止を政策としてあげていることに「企業に正社員を雇う体力がないのに禁止したら100万人単位の失業者が出る」と批判する。「人気取りの政策ではなく、きちんとしたセイフティーネットを作るのが政治の役割のはずだ」と。
まさに悲惨だ。新宿みたいな都市部に住んでいるとその悲惨さが実感として肌で感じる。でもこういう悲鳴の声は、現代ニッポンでは政治に反映されない。政治力を持つイナカの既得権集団だけが面倒見て貰えるシステムになっているからだ。ここ:
農政に見る民主主義の罠 - Chikirinの日記: "今回の選挙のマニュフェスト比較で、もっとも「どっちもどっち」なのが農業政策。自民党も民主党もその他の党も基本的な主張は同じ。「貧しくて非効率で高齢化が進んでいる、超かわいそうな農家を守り抜く所存でありますっ!」ということらしい。
他の点に関してはそれなりの対立点もあるのに、なんで農業だけ皆で意見が同じになるのか。これが最初の疑問。
それからもうひとつ。これだけすべての党が「農家を支援します!」と叫んでいるのに、少なくともマスコミが拾ってくる“農家の声”には全くポジティブなものがない。これもとても不思議。こんだけ“農家向け”の公約が用意されてるのに、なぜ田んぼやら畑でインタビューを受けている人は嬉しくなさそうですの?"
最後まで読まれることをおすすめする。これはとてもよく書けたブログ記事だと思う。ニッポンの問題の本質はここにあるからだ。
しかし、とてもよく書けているこの記事に対し、批判的な罵詈雑言が多く寄せられている。しょせんネットの出来事ではあるが、ニッポン人にはイナカ出身者(つまりイナカモン優遇政策の受益者)もしくは心情的イナカモンが多いのだな〜と、天を仰いでしまった。
こういう状況では日本の金融市場はますます海外から相手にされなくなる。いまや日本株式市場は「イレレバント(無関係)」とウォール街ではみなされているそうだ(日経「ウォール街ラウンドアップ})。日本の金融関係者にはナショナリストが多いが、もともとイナカ出身者が多いことも原因かもしれない(なにせイナカでは公務員となるか銀行に勤めるのがいいこととなってきたから)。いくら嘗て国際競争力があった日本産業が頑張っても、またいくらウヨ金融評論家が「ニッポンはこれでいいのだ〜!」と詭弁を講じても、日本株は売りだな。