2009年8月28日金曜日

日経:失業率史上最悪、叫びの悲鳴「人気取りより安全網」

今日の日経夕刊の社会面。具体的なだけに迫力がある。このような悲惨な状況に追い込まれている都市労働者と、一方で既得権と政治力に守られ、世界大不況の現実はよそ事としてぬくぬくと生活している農村既得権集団との落差はあまりにも大きい。義憤を感じる。以下日経記事要旨:

  1. ハローワーク池袋には朝から職を求める若者や女性らがひっきりなしに訪れる。
  2. 昨秋解雇された板橋区の男性(41)は「どんどん求人数が減っている。1件の求人に対し100人が応募することもある」と途方に暮れている。
  3. 職と住まいを失った人に神奈川県が提供している施設では32人が不安の毎日を過ごす。

  4. 機械器具製造会社を解雇された男性(46)は、月13万円の失業手当でやりくりをするが食事は1日に1回、白米とインスタントラーメンで空腹を紛らわす。
  5. 中野区の女性(56)は約12万円の失業手当から、昨年の収入を基準とした税金や社会保障を差し引かれると5万円しか残らない。「今の政策が現場では矛盾だらけなことに政治は気がついていない」という。
  6. 新宿区の男性(46)は妻と相前後して職を失った。「年越し派遣村」に足を運んだ。「派遣村は本来なら国がやるべき仕事」と腹を立てる。
  7. 半導体部品製造工場で派遣切りにあった松戸市の男性(36)は、民主党などは製造業派遣禁止を政策としてあげていることに「企業に正社員を雇う体力がないのに禁止したら100万人単位の失業者が出る」と批判する。「人気取りの政策ではなく、きちんとしたセイフティーネットを作るのが政治の役割のはずだ」と。

まさに悲惨だ。新宿みたいな都市部に住んでいるとその悲惨さが実感として肌で感じる。でもこういう悲鳴の声は、現代ニッポンでは政治に反映されない。政治力を持つイナカの既得権集団だけが面倒見て貰えるシステムになっているからだ。ここ:
農政に見る民主主義の罠 - Chikirinの日記: "今回の選挙のマニュフェスト比較で、もっとも「どっちもどっち」なのが農業政策。自民党も民主党もその他の党も基本的な主張は同じ。「貧しくて非効率で高齢化が進んでいる、超かわいそうな農家を守り抜く所存でありますっ!」ということらしい。

他の点に関してはそれなりの対立点もあるのに、なんで農業だけ皆で意見が同じになるのか。これが最初の疑問。

それからもうひとつ。これだけすべての党が「農家を支援します!」と叫んでいるのに、少なくともマスコミが拾ってくる“農家の声”には全くポジティブなものがない。これもとても不思議。こんだけ“農家向け”の公約が用意されてるのに、なぜ田んぼやら畑でインタビューを受けている人は嬉しくなさそうですの?"

最後まで読まれることをおすすめする。これはとてもよく書けたブログ記事だと思う。ニッポンの問題の本質はここにあるからだ。

しかし、とてもよく書けているこの記事に対し、批判的な罵詈雑言が多く寄せられている。しょせんネットの出来事ではあるが、ニッポン人にはイナカ出身者(つまりイナカモン優遇政策の受益者)もしくは心情的イナカモンが多いのだな〜と、天を仰いでしまった。

こういう状況では日本の金融市場はますます海外から相手にされなくなる。いまや日本株式市場は「イレレバント(無関係)」とウォール街ではみなされているそうだ(日経「ウォール街ラウンドアップ})。日本の金融関係者にはナショナリストが多いが、もともとイナカ出身者が多いことも原因かもしれない(なにせイナカでは公務員となるか銀行に勤めるのがいいこととなってきたから)。いくら嘗て国際競争力があった日本産業が頑張っても、またいくらウヨ金融評論家が「ニッポンはこれでいいのだ〜!」と詭弁を講じても、日本株は売りだな。

8/28 Today 大伴家持が死ぬ(785)

大伴家持 - Wikipedia: "大伴 家持(おおとも の やかもち、養老2年(718年)頃 - 延暦4年8月28日(785年10月5日))は奈良時代の政治家、歌人。三十六歌仙の一人。大納言大伴安麻呂の孫。大納言大伴旅人の子。従三位・中納言。

長歌・短歌など合計473首が『万葉集』に収められており、『万葉集』全体の1割を超えている。このことから家持が『万葉集』の編纂に拘わったと考えられている。『万葉集』卷十七~二十は、私家集の観もある。『万葉集』の最後は、天平宝字3年(759年)正月の「新しき年の始の初春の 今日降る雪のいや重け吉事(よごと)」(卷二十-4516)である。

延暦2年(783年)、中納言に昇進するが兼任していた陸奥按察使持節征東将軍の職務のために陸奥に滞在中に没した。"
家持が編集した「万葉集」抜きでは日本文化は語れない。それほど偉大な業績を残した。しかし晩年は不遇であった。

天平宝字3年正月の家持最後の歌「新しき年の始めの初春の……」以降、家持は歌を詠まぬ人となった。死ぬまで実に22年間、歌を詠んでいない。どういう心境だったのだろうか。

名門大伴家の家長として台頭する新興勢力藤原家との抗争に明け暮れ、最後はそれに敗れたと見るのが一般的な見方。家持にとっては、政治は芸術よりも大切だったのである。家持はとても真面目な人だったのだと思う。

2009年8月27日木曜日

「平成検地」で農家のエゴとモンスター化を抑え、国土全体の荒廃化を阻止せよ!(神門善久)

今日の日経「経済教室」で神門善久が良いことを書いている。農業問題というより、まさにニッポンの問題を真っ向から指摘している好論文だ。ここで指摘されている問題こそが日本経済がいま長期低迷に陥っている本当の原因なのである。タダで貰った農地の所有権をもとに消費者の負担で大儲けしながら日本経済に寄生している「偽装農家」の存在だ。この論文は、普通のナイーブなニッポンのエコロとか主婦層にとっては知らないことが多いだけに、必読文献である:

要旨:
  1. 一般に農地所有者というと「米作を中心に生計をなす昔ながらの純朴な農家」をイメージしがちである。残念ながら、それらの印象は、現実とかけ離れている。
  2. 日本の稲作農家は200万戸以上あるが、稲作を主な収益源にしている農家は8万戸に過ぎない。残りの圧倒的多数は、細々と農業を続ける振りをしながら、真の狙いは農外転用による「濡れ手に粟の収入」を狙っている農家だ。いわば「偽装農家」だ。
  3. 農地を相続したもののすっかり耕作意欲を失った「土地持ち非農家」も120万戸ある。不動産業者や産業廃棄物業者などと組んで、転用目的で農地を利用しようと画策する例は後を絶たない。
  4. 「偽装農家」は、転用機会に備えるため、農地の貸し出しよりも耕作放棄を選択する。農地への相続税の優遇もそれに拍車を掛けている。
  5. 非営農目的での農地の所有や利用が蔓延している。これが真の問題である。
  6. 今年6月に成立した改正農地法には大きな問題がある。今まで「偽装農家」の利益を考えて、不正な農地転用に見て見ぬふりをしてきた農業委員会に権限を与えている限り、ことが変化するとは思えない。むしろますます農地の不正利用が進むおそれが強い。
  7. 真の問題はコメの慢性的な生産過剰にある。
  8. 一般に農業をことさら「美化」する風潮があることを筆者は危惧する。農業の実像は、地権者がエゴを隠さず農地利用者がモンスター化し、農地行政もそれを見て見ぬふりをする悪循環に陥っている。これを何とかしなければ、農業全体の衰退のみならず国土全体の荒廃を招く。
  9. まずは現状把握に傾注するべき。真っ先にすることは「平成の検地」だ。日本には農地利用を記録するための法定台帳が存在しない。これが違法脱税行為の温床となっている。
  10. このような状態が放置されている限り、日本の土地利用の秩序回復はない。

いやあ、よく言った、神門善久。ニッポンの衰退の根本原因は、狭い日本の土地利用で、すさまじいばかりの地権者エゴが渦巻いていることにある。ヒャクショウ地主のエゴを何とか抑えない限り、日本の将来はない。

2009年8月26日水曜日

ノンフィクション『パーフェクトストーム』に登場するトミザワ氏と「サトリ号」とは?

今日読んだ本:

ハリケーンの描写がすごい。日本人も登場する(トミザワ)。また「サトリ号」という抹香臭い名前のヨットも登場。日本のマグロ漁船も。それぞれ書き方にちょっと不自然な点がある(おいらはその当たりわりかし鼻が利く)。変だなと思って調べてみたら、こんな「事実」が分かった。

そのトミザワさんのホームページ。富沢さんはカンカンである:
パーフェクトストーム セバスチャンユンガー PERFECT STORM SEBASTIAN JUNGER ヨット 遭難 SOS コーストガード ドキュメンタリー MAKOTO TOMIZAWA: "PERFECT STORM SEBASTIAN JUNGER

パーフェクトストーム

原作者セバスチャンユンガーの欺瞞を暴く!!"

トミザワさんは実在したのだ。おまけに同時期に遭難したという「サトリ号」についても富沢さんのヨットをベースに捏造したお話しだという。

訳者後書きに遭難した日本のマグロ漁船の船長さんとのインタビューも載っているが、それもかなり書かれた状況とは違っていたようだ。

(勇敢でエライのは女ばかりというのも気になるし……)

いろいろおかしなところはあるが、当時(1990年)の米国社会というのは、こういう本を必要としていたんだろうね。いろんな意味で面白い。

8/26 Today サイデンステッカーが死ぬ(2007)

エドワード・G・サイデンステッカー - Wikipedia:"エドワード・ジョージ・サイデンステッカー(Edward George Seidensticker, 1921年2月11日 - 2007年8月26日)は、日本文学作品の翻訳を通して、日本の文化を広く紹介したアメリカ人の日本学者。より正確には「サイデンスティッカー」だが、親しみをこめて「サイデンさん」などと呼ばれる。"
ところで、サイデンステッカーが一番愛した日本の作家は誰かご存じか?

永井荷風なのである。ここ:
サイデンステッカーが一番愛した日本の作家、永井荷風: "今朝の日経書評欄で日本文学研 究家で「源氏物語」の英訳者でもあるE・G・サイデンステッカーの新しい本が紹介されている。評者は桶谷秀昭氏。その中で桶谷氏は「見落とせないのは、サ イデンステッカーの永井荷風にたいする強い関心と尊敬の念である」と述べておられる。実際サイデンステッカーが永井荷風を一番好きな作家だと書いている文 章が存在するのだ。"

2009年8月25日火曜日

2chが、小沢一郎の「農協、相手にする必要ない」発言に激高している!

2ch スレッド:
【政治】「農協、相手にする必要ない」民主・小沢氏が批判: "民主党の小沢代表代行は25日、自由貿易協定(FTA)の推進に関し、 「我々はどのような状況になっても生産者が生産できる制度をつくると言っている。 何の心配もない。中央の農協、農業団体は官僚化している。相手にする必要はない」と述べた。"
まっとうな発言だと思うが、2chではみんな激高しているようだ。この小沢発言に激高するウヨ2チャンネラーは、しょせん農協の手先で、つまりヒャクショウだということが分かった。「ニッポン・ナショナリストの正体見たり、農村ウヨ」というところか。

民主党の「農村すりより」のマニフェストは、選挙が終われば反古にすればいい。所詮マニフェストとはそんなものだ。「民主党になればいくら貰えるか」だけを気にしていた農村票などは、大いに期待を裏切られさせたらいい。「お金のために投票した票」は、しょせんそれだけの票だ。民主党は国のためだけを考えて農村既得権集団が期待する利益は無視しろ。みんながそれを望んでいる。

不況で地価が下がれば道路の拡張が進む!

東京に帰ってきて、外苑出口から外苑東通りへ入ると、信濃町から四谷三丁目の間がすっきりしているのに気がついた。あそこでこの10年、一軒だけで頑張ってきたお茶屋(緑茶を売る店)が遂に立ち退き、道路拡張工事が始まっているのだ。東京の地価公示価格の下落が原因か。

どういう関係があるかというと、道路拡張のための用地買収価格は公示価格を基準にして決められる。公示価格が毎年上がっていると地権者としては売らずに待った方が得なので用地買収に応じない。逆に公示価格が下がり出すとみんな慌てて土地収用に応じる。昨年からの世界不況でこの地主も粘っても得しないと判断したのだろう。いいことである。

周りには街路樹にサルスベリが植えられている。サルスベリの街路樹とは東京では見かけないが、紅い花がとてもきれいで熱帯化した東京によく似合う。

ところでうちのサルスベリだが、周りの木が伸びすぎて日当たりが悪くなり近年花を着けなかったものだが今年は少しだけだが花を着けた。伸びすぎたヒメリンゴに褐色葉枯病が発生して透き透きになったからサルスベリにも日が当たるようになったのだ。

外苑東通りも世界大不況も、サルスベリも褐色葉枯病も、みんな「人間万事塞翁が馬」なのである。

8/25 Today 種子島に鉄砲伝来(1543)

鉄砲伝来 - Wikipedia:”『鉄炮記』によれば、種子島への鉄砲伝来は天文12年8月25日 (旧暦)(ユリウス暦1543年9月23日)の出来事で、大隅国(鹿児島県)種子島西之浦湾に漂着した中国船に同乗していたポルトガル人(「牟良叔舎」、「喜利志多佗孟太」)が鉄砲を所持しており、鉄砲の実演を行い種子島島主である種子島恵時・時尭親子がそのうち2挺を購入して研究を重ね、刀鍛冶の八板金兵衛に命じて複製を研究させる。”
この「西之浦湾」というのは、どこだろう?

どうも、現在の「西之表港」にあたるようだ。それ以外に種子島の西側に湾なんてないもの。

西之表市では毎年8月25日あたりには鉄砲祭りが行われる:

西之表市で『第40回種子島鉄砲まつり』【2009年のイベント】旅行サイト『プチたび』 - puchitabi.jp: "2009年8月23日(日)10:00〜、西之表市で『第40回種子島鉄砲まつり』が開催される。1543年(天文12年8月25日)に日本で最初に鉄砲が伝来したのを記念して行なわれる種子島最大の祭り。伝統行事の太鼓山、みこし、時代絵巻をほうふつとさせる南蛮行列などが繰り出す。23日(日)21:00〜21:30は約3000発の花火も打ち上げられる。太鼓山行列(10:00〜14:00) 、南蛮パレード(15:30〜17:30)。"

2009年8月24日月曜日

2ch が麻生首相の「金がないのに結婚しない方がいい」発言で盛り上がっている!

2ch板:
【政治】麻生首相「金が無いのに結婚はしない方がいい」

今の時間でもう板が11も立っているから一晩で1万件を超える書き込みがあった勘定となる。「金」と「結婚」は2チャンネラーの琴線に触れるキーワードなのである。もちろん全部読んだわけではないが、だいたいがケシカランというもの。おいらは麻生発言の発言根拠自体が間違っている(麻生はお金の計算が出来ない男だ)と思うが、残念ながらそういう2チャンネラーの発言は見あたらなかったので、おいらの意見を書いておく。

お金がないから結婚できないは間違っているだろう。一人で生活するより結婚して二人で生活する方が一人あたり固定経費が少なくなる。お金がなければ結婚して節約しようという発想であるべきだ。現に北ヨーロッパではそういう感覚。

ところがニッポンでは(南ヨーロッパでもそうらしいが)「お金がないと結婚できない」という発想になる。なぜだろう?

これは子どもが成人しても親と同居する風習が根強いことが原因である。親と同居しておればもろもろの経費がほとんどタダである。ところが結婚すると自分で出さねばならない。生活程度が下がるのだ。これがおかしい。この問題に少子化対策の焦点を当てるべきだと思う。

おいらの具体的な提案:
  1. 成人した子どもの扶養家族控除(38万円)を廃止する。親は当然その部分を子どもに請求することになるから、子どもが両親に寄生すると云うことがなくなる。
  2. その分増税となるが、その分(38万円)を若年者住宅手当を創設しそれに回す。子どもが独立した生活をはじめるとそれが貰えるのだ。
  3. 子どもを家から追い出しさえすれば、後は簡単。結婚した方が生活が楽になるから、どんどん結婚することになる。結婚すれば子どもは出来てしまうだろう。

8/24 Today ポンペイ最後の日(79)

ポンペイ - Wikipedia: "ポンペイ(ラテン語:Pompeii、イタリア語:Pompei)は、1世紀までナポリ近郊にあった都市で、イタリアの世界遺産である。79年8月24日、ヴェスヴィオ火山が大噴火し、一昼夜に渡って火山灰が降り続け、翌25日に完全に地中に埋まった。

ポンペイとその周辺の別荘からは多数の壁画が発掘され、古代ローマの絵画を知る上で重要な作品群となっている。ポンペイの壁画の様式には年代により変遷が見られ、主題も静物、風景、風俗、神話と多岐にわたっている。男女の交わりを描いた絵も有名で、これらはフォルム(市民広場)や浴場や多くの家や別荘で、よい状態で保存され続けていた。1000平方メートルの広さをもつホテルは、町のそばで見つかった。現在、このホテルは、「グランドホテルMurecine」と呼ばれる。"

当時の人の生活ぶりを見ると、人間は昔から大して進歩していないことがよく分かる。

それにしても、一発こういう火山噴火があると地球の気候はどうなるのだろう。温暖化ガスの増加は科学的に計算できるとしても火山噴火は科学的に予測できない。また大隕石が落ちてくる確率もある。太陽の黒点が急減する可能性もある。そういう不確実性を無視して計算できるものだけをベースに「科学的な」予測をするということは、非科学的じゃないのか。

TwitPic 写真

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小さいのしか出てこないな。

2009年8月23日日曜日

NHK海外ネット「被爆者の思いを世界へ マレーシアで原爆展」

NHK海外ネットワーク - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]NHK海外ネットワーク ▽被爆者の思いを世界へ マレーシアで原爆展 
参加した真面目な女子学生は「日本は加害者でもあり、それが海外でどう捉えられているのか知りたかった」と語っていた。もしそうなら、どうしてマレーシアなんかに行ったのだろう?

隣の国にまず行くべきではなかったか。それと、もちろん中国に。

案の定、マレーシアでは歓迎され、関係者は「ニッポンは被害者」という自己満足に浸ることが出来た。まさにNHK的報道ぶり。NHK海外ネットワークだけは、今まで「ニッポンナショナリズム」とは一定の距離を置き、わりかしまともだっただけに、惜しい。

最近なにも読むものがなくなったので「聖書」を読んでいる。今日は「エレミア書」。神は契約を守らず悪行を行ったユダとイスラエルの民に過酷な罰を与える。国が滅ぼされ、女性はレイプされ、男は殺され、生き残ったものは奴隷となるのだ。これほどまで罰しなくてもいいのにと思うほど、徹底的に罰する。これがイスラム教までをも含む一神教的世界の価値観。悪いことをやっても被害者を気取るニッポン人は罪と罰の意識が希薄すぎるのである。

なにも世界基準に合わせないといけないとは言ってないが、所詮「ローカル」なニッポン基準を世界に普遍化しようと、「NHK的」に画策しても、今のニッポンの実力では逆効果になるだけだと思う。

離農支援制度を整備せよ - 左思右想……いいこと言っている!

この人、がりがりの「農村への利権誘導主義者」だと思っていたが、たまにはいいことを言う:
離農支援制度を整備せよ - 左思右想: "今の農政に足りないのは、離農しやすい制度。

離農のための制度が整備されていないために、現状では、離農した元農家が、営農が継続されなくなった農地の所有を続けるために、耕作放棄地がでやすい状態になっている。農地改革の精神の原点に立ち返り、離農した時点で、農地の所有権を放棄したと見なして、就農希望者に提供した方が良いのではないか。"
その通り。

そもそも「耕すものに農地を」というのが戦後の農地解放の精神だった。耕さなくなったものは農地の所有権をそもそも主張できないはずだ(そもそも耕すからといってタダで貰った農地だ)。それがいつの間にか「神聖な私有財産」として絶対的なものとなってしまった。

もともとの農地法にはまだこの農地解放の精神が残っていたが、改正農地法ではそれさえ後退してしまっている。これでは日本は権利ばかりを主張する「成田の一坪地主」のようなエゴイスティックな「偽装農家」に振り回され続けることになり、ニッポンはいよいよ「成田空港化」し、国際的に競争力を失い、国民は今以上にさらにビンボーになることは、避けられない。

8/23 Today 諸葛孔明が死ぬ(234)

諸葛亮 - Wikipedia: "諸葛 亮(しょかつ りょう、181年 - 234年)は、中国後漢末期から三国時代の蜀漢の政治家・武将・軍略家・発明家。字は孔明(こうめい)。234年春2月、第五次、最後の北伐に出た。この戦いで諸葛亮は屯田を行い、持久戦の構えをとって五丈原で司馬懿と長期に渡って対陣する。しかし、頼りにしていた呉が荊州と合肥方面の戦いにおいて魏に敗れ、司馬懿は大軍を擁しながら防御に徹して諸葛亮の挑発に乗らなかった。病に侵されていた諸葛亮は、秋8月(『三国志演義』では8月23日)、陣中に没した(五丈原の戦い)。享年54。"


これだけの業績を上げた人だが、死んだときは54歳だった。おいらみたいな凡人は、ただいたずらに馬齢を重ねるのみ。

2009年8月22日土曜日

小泉純一郎も民主党への投票を呼びかける!

asahi.com(朝日新聞社):小泉元首相「政権、たまには民主に」 愛知で演説 - 政治: "「みんなが『政権交代』と叫ぶ中、たまには民主にとらせてもいいかなと思う。一度は政権交代させないと、この風を止めるのは容易じゃない」。自民党の小泉元首相は22日、愛知県小牧市での小選挙区の自民候補の集会で、こう演説した。"
小泉純一郎は、実にものの分かったやつだ。尊敬する。

自民党は昔の「ノーソン自民党」に先祖帰りしている。お金を都市住民から搾取して、すでにお金をしこたま持っている農村既得権集団へ更なる所得移転を画策する姿勢は、農協にカツアゲされてマニフェストを替えてしまった民主党よりよほど鮮明。金にまかせて大手広告代理店を使いマスコミを煽り、ナイーブな都市主婦層を洗脳する姿勢は、ナチのやり方そっくり。

郵政民営化で小泉自民党に投票した都市住民は、今、その自民党からひどい裏切りにあっている。小泉が言うとおりだ。「ノーソン」の利益代弁者に先祖帰りした自民党には、いまこそ「お尻ぺんぺん」してやらないといけない。でないとニッポンはますます落ち目の一途をたどり、みんなが貧困化するのである。

8/22 Today リチャード三世が戦死(1485)

リチャード3世 (イングランド王) - Wikipedia: "リチャード3世(Richard III, 1452年10月2日 - 1485年8月22日)、ヨーク朝イングランド王(在位:1483年 - 1485年)。エドワード3世の曾孫ヨーク公リチャードの八男。即位前はグロスター公。薔薇戦争の最後を飾るイングランド王であり、戦死した最後のイングランド王である。

1485年、ランカスター派のヘンリー・テューダーがフランスから侵入し、ボズワースの戦いで自ら軍を率いて決戦する。この戦いでリチャードは味方の裏切りに遭い、自ら斧を振るって奮戦したが戦死した。遺体は当時の習慣に従って丸裸にされ晒された。

リチャードはシェイクスピアによって、ヨーク朝の後継王朝であるテューダー朝の敵役として性格・容姿ともに稀代の奸物として描かれ、その人物像が後世に広く伝わった。"
己の肉体的劣等感を強烈な権謀術数と権力欲に昇華させた男の生涯。最後は「馬をもて!」と叫びながら戦死。

ローレンス・オリヴィエの映画がいいよ:
リチャード三世(1955) - goo 映画

生まれつきの善人もいるし、生まれつきの悪人もいる。それが世の中。

2009年8月21日金曜日

BSジャパン: 地主様がお儲けになる有料老人ホームビジネス

この業界の実情がよくリポートしてあって、参考になった:
高齢者の住まいが足りない 地域がスクラム 新しい仕組みの高齢者住宅を追って。 - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]:"高齢化の進展で介護を必要とする人たちの受け皿づくりが急務となる中、岡山市の企業が運営する有料老人ホームが注目されている。

新しい枠組みで運営される有料老人ホームは土地を提供する「地主」と医療・介護サービスを提供する「病院」、そして施設の管理運営を手がける「企業」が三位一体となって取り組むことで実現するビジネスモデルだ。番組では有料老人ホームの提携に踏み切った地主や病院関係者の声はもちろん、不動産投資としてのメリットなどに関する税理士のインタビューなどを交えながら、新しい土地活用や老人ホーム経営などについて考えます。"

関係者(医療関係者、建設関係者など)がそろって「地主」のことを「地主様」と呼んでいたことが印象的だった。このビジネスでは、地主が「オーナー」となるのが一般的であるようだ。そりゃ、使い道のないような危険な崖地でも何でもかんでも有料老人ホームにするわけじゃ(最近、崖崩れで埋まってしまう有料老人ホームの事故が相次いでいる)。「地主様」の相続税対策にも有利だという。

「有料老人ホーム」ビジネスは、ぼったくりビジネスだと思う。死ぬまでいさせて貰うだけで数千万円のお金を払わないといけない。「地主様」(オーナー)としては入居者が早く死んでくれれば丸儲け。貰ったお金は返さない。長く生きれば損するので早く死んでくれる方がいい。ビジネスモデル自体に、サービスを悪くすることに対する経済的インセンティブが存在するわけであり、こういうシステムでは入居者の福祉が保証されるわけはない。

フィリピンやインドネシアの介護士の入国を自由化しさえすれば、すべての老人が安い費用で「在宅介護」を受けることが出来るのに、これが(外国人介護士の入国が)阻止されている背景には、こういう事情(「地主様」の反対)がある。

これに限らずニッポンの公共事業とかは、そのほとんどが「地主様」を儲けさせることだけを目的として企画・立案されている。これが日本の国土と経済を著しく歪めている。

大前研一:「民主党の”七夕の短冊”マニフェストは真面目に受け取るな!」

これでちょっと安心した:
大前研一「ニュースの視点」Blog:KON275衆院選直前特別企画第2弾!~マニフェストを「マジメ」に受け止める必要がない~大前研一ニュースの視点~:

 "私に言わせれば、マニフェストが発表されたところで、それを
 「マジメに」受け止める必要はないと思います。

 今回の民主党にしたところで全く同じです。さらに言えば、
 マニフェストの内容そのものに目を向けても、むしろ「忘れられた
 ほうが良い」と言うほどお粗末なものだと私は思います。
 何よりも、マニフェストとしての大前提・体裁が整っていません。

 例えるならば、「七夕の短冊」のようなものです。民主党の有力
 議員がそれぞれ好き勝手に思いつきを述べたものを、誰かが中
 心となってまとめるでもなく、単につらつらと書き綴っただけ
 の「アイディア集」です。"

そう「マジメ」に実行すれば国債暴落とハイパーインフレは避けがたいもんな。

明治維新の時「尊皇攘夷」をマニフェストとして戦った反乱軍(薩長勢力)は、政権を取るや否や「開国」に踏み切る。薩長もそれほどアホでもなかったのである。民主党もそれほどアホでもないことを祈るのみ。

英エコノミスト誌もニッポンを嘲笑!

鳩山氏の攻撃する間違った敵 - 池田信夫 blog: "Economistの総選挙についてのコメントも、Newsweekとほとんど同じだ。鳩山由紀夫氏の「友愛」は、日本人だけでなく西洋人にも理解できないようだ。すでに鉄壁の保護を受けている農民を「グローバリズムから守る」ことがfraternityだって?

世界の有力誌が、ほとんど同じように鳩山氏の「市場原理主義」批判を嘲笑しているるのは、偶然ではない。これから首相として国際舞台で演説することになる鳩山氏は知っておいたほうがいいと思うが、市場原理主義とかグローバリズムというのは、欧米では無知な左翼の使う言葉である。こういう言葉を使っているだけで、鳩山氏は世界の常識を知らない田舎者として無視されるだろう。そしてこれが日本の株式市場の主役である外人投資家の見方でもある。"


ニッポンがこれほど世界から注目されるのはホントに久しぶり。でも揃いも揃って「だめな日本」という紹介のされ方。年寄りは「衰退の美学」に酔いながら余生を生きるしかないか。

名言集に収録する言葉:「市場原理主義とかグローバリズムというのは、欧米では無知な左翼の使う言葉である。こういう言葉を使っているだけで、鳩山氏は世界の常識を知らない田舎者として無視されるだろう。」

8/21 Today 弓削道鏡が失脚(770)

道鏡 - Wikipedia: "道鏡(どうきょう、文武天皇4年(700年)? - 宝亀3年4月7日(772年5月13日))は、奈良時代の法相宗の僧。祈祷の力をもって王家に取り入って権力を握り、政治に容喙したことから、よく帝政ロシア末期の怪僧グリゴリー・ラスプーチンと対比される。神護景雲4年(770年)に称徳天皇が病死すると、道鏡は葬礼の後も僥倖を頼み称徳天皇の御陵を守ったが、神護景雲4年8月21日、造下野薬師寺別当(下野国)を命ぜられて下向し、赴任地の下野国で没し庶人の待遇で葬られた。"
女性天皇をたぶらかした悪い坊さんというイメージだが、最近道鏡を再評価する動きがあるらしい。

八尾市にある道鏡のファンクラブ:
道鏡を知る会メインページ:”この会は、植松の郷土史家 山野としえさんが、郷土文化誌の「河内どんこう」(昭和50年[1975年])に『植松風土記』を連載されていた時期の、昭和55年(1980年)「続日本紀」の弓削道鏡と称徳女帝の竜華寺参拝のくだりと今の植松の歴史を紹介し、悪僧と世情呼ばれているとなり村の弓削出身の道鏡さんが、実は立派な学識を持った人物であることを紹介したことにはじまります。”

人の評価は、生きているうちは決められない。死んでからでさえ、決められない。

2009年8月20日木曜日

Newsweek でも「だめな日本」特集!

Fading Japan - 池田信夫 blog: "今週のNewsweekのアジア版のカバーストーリーは、また「だめな日本」。しかも民主党政権はそれをさらにだめにするだろうというご託宣だ。曰く:「このまま衰退すると日本は——歴史上ながくそうだったように——中国の傍の小国になるだろう。外交戦略もなくFTAにも消極的な日本が、アジア経済圏の中心になれるはずもない。世界市場で日本が今の地位を維持するだけでも思い切った規制改革と市場開放が必要だが、マニフェストに「成長」の文字さえなかった民主党にそれを期待するのは無理だろう。」"

言ってることは「正論」だけに、いやになるな。

ところが、日本ではこういう報道に接すると「ニッポンはこれでいいのだ〜!」と絶叫する天才バカボンが実に多いのである。問題の所在すら認識できないでいるのだ。そういう「空気」が日本を支配している。坂口安吾じゃないけれど、こりゃ「いったん墜ちるところまで正しく墜ちつことが必要とされている」のかも知れない。みんなビンボーになってはじめて自分がバカだったことに気がつくのである。

「日本ほど早く没落した国も珍しい」「かつての超大国・日本、なぜ世界のリーダーになれなかったか」…米誌

2chでの話題:
【国際】「日本ほど早く没落した国も珍しい」「かつての超大国・日本、なぜ世界のリーダーになれなかったか」…米誌★2:"米誌「World Policy Journal」夏季号は「日本はなぜ世界のリーダーになれないのか?」 と題した記事を掲載した。新華網が伝えた。

記事は、かつて経済超大国として世界のリーダーにもなり得る存在と目されていた日本だが、 今や中国やインドなどの台頭によりすっかり影が薄れてしまったと論じた。記事によれば、 日本は過去40年間、世界第2位の経済力だけを武器に国際社会で高い影響力を発揮してきたが、 もともと政治や軍事面での実力は伴っていなかった。第2次大戦後、奇跡的な経済成長を 遂げた日本だが今やその伝説も幻となり、大国としての地位すら危うい。

こうなると国際貢献のあり方も変える必要に迫られると記事は指摘。これまでのように 「何でも金で解決」という訳にはいかなくなるだろう。日本はすっかり国際社会に おける自らの役割を見失ってしまった。国内政治も混乱が続いており、今後の見通しは暗い。 記事は、これほど短期間で国際地位が暴落した国も珍しい、と日本の没落ぶりを強調した。 "

2チャンネラーどもの激高ぶりが面白い。原因ははっきりしているのに、それにまるで気がついていないのが2チャンネラーたる所以。

要は、今まで日本の勤労者が血のにじむ思いをして稼いだ富を、働かないで分配だけを要求する輩にすっかりばらまいて無駄遣いしてしまったからに他ならない。全部飲み食いに使ってしまったのだ。その結果、残ったのはイナカの箱物とメタボ現象だけとなった。

2009年8月19日水曜日

NHK:「ちょっと変だぞ 日本の自然」……ああ、クサイ!

憂鬱にさせられたこの番組:
NHK 番組表: "日本各地で身近な自然に異変が起きている。外来生物の侵入などによって生態系のバランスが崩れようとしているのだ。異変の原因を探り、環境を守るために何が必要か考える。"
外来種はなんでも危険だという。「環境攘夷主義」がニッポンを風靡している。

松が枯れているのは外来生物のおかげだという。でもそもそもマツなんて、ニッポンの古来からの植物ではない:
「日本の雑木林はニセモノだ、本来の森に帰せ」(宮脇昭): "マツにしてももともと条件の悪い山頂部などに限定して生えていただけのもの。それが人間が広げてしまった。マツクイムシの大発生は自然の摂理。"

最近しつこく繰り返されるNHKの「環境攘夷主義」番組は、ニッポンの農村利権集団が資金提供している「外来動植物排除の攘夷キャンペーン」の一環だろう。あいつらがこれこそニッポン文化だと主張する「コメ」だって、元はといえば外来植物だと言うことは全く忘れられている。

べらぼうに高率の「隠れた消費税」を払わされている若者たちは可哀想!

昼にラーメンが食べたくなって、某所にある「製麺所直販所」に赴く。口コミ情報が広がったためか、昼前から若者たちで大賑わい。テニスの合宿に来ている大学生みたいで、みんな若くて、その食べること食べること。大盛りは言うに及ばず、さらに替え玉とか、各種のトッピングとか、半炒飯とか、いろいろ付加価値を付けて、壮大に召し上がってました。若いっていいですね。でも、気になったこと二つ。一つは栄養の偏り。必須アミノ酸が足りていない。マクドの方がよほど合理的だと思うのですが、カロリーだけのラーメンを食べて筋肉が付くのかしら。もうひとつはお勘定。勘定を払っているのを見ると、足していくと結構な金額になっている。そんなにお小遣いを貰っているわけでもないだろうに、大丈夫かな。

いろいろ考えてみると、これこそが、現代ニッポンにおける弱者への経済的搾取システムの象徴的な光景だなと思った。食い物の値段が異常に高いのである。金持ちや高齢者は食い物にそんなにお金をかけないので、被害が相対的に少ないのだが、高い食品価格は低所得者層や食べ盛りのこどもを持つ子育て家計を直撃している。それは「隠れた消費税」として機能し、食べ盛りの若者たちから農村地主資本家への所得移転をもたらしている(この国際価格との差額(マークアップ分)は農村地主資本家に配分されることとなっている。小麦の場合、麦等輸入納付金などで)。

日本のエンゲル係数は米国の二倍にも達する。食い物に限って言えば100%の消費税を掛けられているに等しいと言える。消費税を上げる上げないの議論が選挙を前にして姦しいが、現実にいま存在するこの高率の「隠れた消費税」については誰も議論しない。おかしなことである。

国産の食い物が高いことは、高所得者や高齢者にとっては所詮どうでもいいことで、全般的に消費税率が上がるより、低所得者層を狙い打ちする「隠れた消費税」の方が都合がいい(それにものの分かった人たちは輸入食品を選んで買うことである程度被害を食い止めることが出来る)。でも、弱者が被害者となっているこのようなひどい現実に目をつぶるのはあまりにエゴイスティックな態度だろう。おいらは義憤を感じる。

それにしても、日本共産党までが農村の味方をして、都市低所得者層の不利益になる農業政策を主張しているのは全く理解が出来ない。しょせん「票のためには良心までも売る」輩だ。背景には「一票格差」問題がある。

asahi:米国内の紙幣、9割にコカイン付着 米大が調査

おどろき、桃の木、山椒の木:
asahi.com(朝日新聞社):米国内の紙幣、9割にコカイン付着 米大が調査 - 国際: "コカインは、密売や吸引の際に紙幣に付着したあと、金融機関で束ねられるときなどに他の札にも広がっているらしい。"

伝染するのはインフルエンザばかりじゃないのだ。

Audi Cabriolet : ルーフを手動で開閉させる方法

三回目のトラブル。その都度、取扱説明書と首っ引きであれこれ苦労するのだが、非常に分かりにくい。ヒューズボックスに格納してある特殊な二重構造のハンドルを使うのだが、差し込むところが二個所あり、それぞれ時計回りに回せとか反時計回りに回せとか、とにかく混乱するのである。マニュアルを精読し、やっと理屈が理解できた(マニュアルに記載間違いあり、一個所ロックとアンロックの記述が逆になっていた、これも混乱の原因)。メモ:

  1. 特殊なハンドルの赤い部分をゆるめた状態が「ベーシック」。この状態でハンドルを穴に突っ込む。
  2. 1/4回転時計方向に回す。それから赤い部分を時計方向に最後まで回す。これでハンドルが操作可能になる。
  3. ハンドルを反時計方向に回すとロックされる。時計方向に回すとアンロック。これがキモ。普通は反対だと思うんだけどね〜。
  4. 手動で幌を出すには、まず後部トランクのリッドをアンロックし、手で幌を引っ張り出してから、再度ロックする。
  5. 次いで、幌を前まで伸ばし、フロントウインドウの上で、まず幌の爪をアンロックする。それからおもむろにロックする。完全に幌がロックされて、おわり。


尚、時々電動での開閉が出来なくなるのは、油圧ポンプに過大な圧力が掛かったときの安全装置が作動してしまうためらしい。30分ぐらい涼しいところで放置しておくと直る。これも不思議な現象で、知らないとますます混乱してしまうのであったが、これで分かった。

2009年8月16日日曜日

『悲しきトカラ 平島生活記録』(稲垣尚友)

たまたま読んだかなり古い本だが、おすすめ:
悲しきトカラ―平島生活記録 (ニュー・フォークロア双書)
著者は東京生まれの「インテリ」作家。都会での生活にある種の幻滅を感じ、トカラ列島の平島に「逃避」する。そこで生活すること、実に13年間。結局、この著者はトカラからも「逃避」することになる。記述が実に具体的で細々と描写的。これはある意味ニッポンの農村そのもの。最近の「自分探し」をするために「農村に憧れる」青年諸君は、ぜひこれを読んでから決断した方がいい。

これを読むきっかけになったのは、先の日食騒ぎの際、トカラ列島(十島村)の村役場が、日食観察をしようとやってくる渡航者に対し法外な渡航ツアー料金を請求し、払わないヨットなどでの渡航者は不公平だとして島から退去することを求め、「不法渡航者」を摘発するために「山狩り」までしたという「事件」。それでかの地の風土に興味を覚えたもの。事件とは:
Letter from Arari Port: 日食:ヨットでトカラ列島に来てはいけないそうです

この本を読んで、なんとなく分かりましたよ。具体的記述は常に価値が高いのである。

それにしても面白かったのは、かの離島の土地相場。鹿児島県は、膨れ上がるばかりの離島の行政サービスコストを削減するために、離島の無人化を進めている。でも誰もそれに(離島に)応じない。ここで生活している限り一定の生活は保障されているからだ。土地を売るなら「坪4〜5万円」が相場だという(昭和40年代の話ですよ)。べらぼうな値段だと思うが、土地価格の「収益還元法」を広義に適応すれば、実に合理的な住民判断なのである。自分がその土地を活用していくらの利益を出せるか、それを金利で現在価格に換算したものが「収益還元方法」による地価であるが、「その土地に住んでいることでいくらの行政的補助金を貰えるか」という観点から収益換算すれば、昭和40年価格での坪4〜5万円も、大いに経済的にあり得る値段なのである。

ニッポンの「イナカバラマキ政策」は、こういうことからも、経済合理性を大きく歪曲させていることが分かる。これではニッポンは落ち目まっしぐら。実に勉強になった。

8/16 Today エルヴィス・プレスリーが死ぬ(1977)

エルヴィス・プレスリー - Wikipedia: "エルヴィス・アーロン・プレスリー (Elvis Aaron Presley, 1935年1月8日 - 1977年8月16日)は、アメリカのロックンロールミュージシャン。キング・オブ・ロックンロールまたはキングと称され、ギネス・ワールド・レコーズでは「最も成功したソロ・アーティスト」として認定されている。1977年8月16日、心臓発作により急逝。42歳だった。"
合掌。



2009年8月15日土曜日

8/15 Today 第二次世界大戦が終わる(1946)

「終戦記念日」と言われている。しかし、この日は数千万人の犠牲者を出した第二次世界大戦が実質的に終結した「喜ばしい」日でもあることは、ニッポンでは往々にして忘れられているように思える:
第二次世界大戦 - Wikipedia: "第二次世界大戦(だいにじせかいたいせん)は、1939年から1945年にかけて連合国と枢軸国の二つの陣営で行われた人類史上二度目の世界大戦。動員された兵力、戦費、戦場の規模など、現在に至るまで人類史上最大の戦争である。犠牲者数は世界数千万人に上るといわれている。日本は1945年8月15日に降伏。日本の降伏をもって第二次世界大戦は終結した。"

あまり被害者根性ばかり前面に打ち出すと(NHK番組なんか、そればかり)おかしなことになる。

今日、ジョセフ・コンラッドの『闇の奥』(藤永茂訳)を読んだ。映画『地獄の黙示録』の底本となった有名な小説だが、「終戦記念日」にこれを読んだのは、まったくの偶然である。



訳者による解説の、ヨーロッパ人の植民地支配に憤激する「ニッポン的ポリティカリーコレクトネス」ぶりが、終戦記念日に当たってのNHK的「ポリティカリーコレクトネス」ぶりと重なって、興味深かった。

しかし、ジョセフ・コンラッドは人間という動物の根本的に根深い奥底に「凶悪」で「野蛮」な本質が潜んでいるということを言いたかったのではないのか。ベルギーによるコンゴの植民地支配と現地人の大量殺戮だけの問題ではない。ナチのホロコーストだけの問題でもない。ヨーロッパ人によるアメリカ大陸などの支配だけの問題でもない。ローマ人がカルタゴ人を殺しまくった歴史の問題だけでもない。渡来系の弥生人や騎馬民族が先住民を殺しまくった歴史の問題ばかりでもない。ホモサピエンス(クロマニヨン人)がネアンデルタール人を食い尽くして全滅させたように人間(ホモサピエンス)が本源的にもっている邪悪な攻撃性が問題なのである。この攻撃性の根源には、狂気に墜ちたクルツの最後の言葉(The horror! The horror!)に象徴されるように、「他者に対する恐怖」がある。すべての人間は、ヨーロッパとかの地域性とは関係なく、有史以来つい最近まで同じことを続けてきているし、当然、今後も続けるのだろう。

きれい事を語るだけでは、マスターベーションをやっているに過ぎない。今晩もNHKは(加害者であることは忘れて)「ボクちゃん可哀想」スタイルの「被害者意識丸出し」番組を繰り返している。もういい加減にしないと、ニッポンの道を誤らすことになるのではないか。

2009年8月14日金曜日

築地でマグロを買うのは、それほどよいことなのかな〜

六本木の社長(堀江さん)がこんなことを言っている:
築地が今物凄いことになっているらしい。: "


昨年来の不況で東京の高級レストラン・割烹などの景気が物凄く悪くなった影響で、その仕入先である築地はモロに影響を受けているらしく、特に高級食材が大打撃を受けている。そのため多く売れ残りになり、地方から魚介類を築地に出しているところもセリで原価われになるなど、大変な状況だ。

だから、実は今築地に行くと、驚くほど安い値段で魚介類を仕入れることが出来る。先日も数十人でバーベキューやったんだけどその魚介類・野菜の仕入れ値段は5万円を切っていた。スーパーで買うより安い上に、スーパーで売っている食材よりも新鮮さや品質では比べ物にならないほどいいものがだ。

てな、状況を旨く利用して私は家メシするときや、うちでパーティやるときはいつも築地で仕入れることにしている。でも別に大人数でなくとも普通の家族でも十分安くいいものを仕入れることができるんだ。東京に住んでいる人は一度築地で買い物をしてみると良いかも。

こういう情報を知っているか知らないかで、同じお金の額でも出来ることが大きく変わってくる。"


「安い」というのはあくまでも比較の問題で、今までのボリ過ぎ価格と比較してのこと。一匹数千円もしたサバとか、一匹数百万円もしたなんとかマグロとか、一個10万円のマンゴーとかメロンとか、いくらなんでもバブルだった。食わないのが一番。人々は今までの自分が如何にアホだったのかを、やっと気がつき始めたに過ぎない。こういうことにようやく国民が気がついたというのであれば、世界不況もまんざら悪いことでもなかった。バブルで食っていた既得権集団にとっては、困った事態かも知れないけど、人を騙して儲けていた罰を受けているわけで、自業自得だ。

NHKは、性も懲りず、一年も前に放映した築地礼讃番組の再放送。ハーバードの文化人類学者に褒めて貰ったとか「ニッポン文化はえらいんだぞ〜」との自己満足本能むんむんの番組だったけれど、文化人類学者が興味を示すと言ういうことは、とりもなおさずそれは「土人文化」であるということ。自慢することじゃない。

「女房は質に入れても初鰹」という「文化人類的には土人文化」は、そろそろやめにした方がいいんじゃないか。お金の節約にも繋がる。

2009年8月12日水曜日

東レ全株売り

日本株が上がっている。なにも知らない外人が買い付けているとのこと。ニッポンに住んでいるおいらはとてもそんな気には成れない。ちょうど一年前に@503円で仕入れた東レを@540円で全量売り。利食い千人力。

ニッポンでは与野党一緒になって平成のバラマキ大合戦。国民はそれを大歓迎。なにかといえば「行き過ぎた市場原理主義」という言葉が出てくる。国の借金は雪だるま:
戦時経済の再来? - 池田信夫 blog: "軍事費抑制論者であった高橋是清が1936年に暗殺されて,軍部の意向が強く働くようになり,債務比率は膨張を続け,1944年度末に約200%のピークに達する。戦後のインフレによって国債は事実上償還され,債務比率は急速に低下する。石油ショック以降は再び上昇に転じ,最近の動きは第2次世界大戦期の動きを彷彿させる。債務比率の動きだけを見れば,日本は石油ショック以降,度重なり戦争をしているみたいだ。"

いいことあるわけないわな。

それにしてもおいらの証券会社の担当は熱心で、ヨットの上にまで電話を掛けてくる。おかげで仙人生活を送るおいらも世間の俗事をフォローできるのである。

2009年8月8日土曜日

民主党には失望したな、まるで「イナカ党」に変身してしまった

今日は朝から気分が悪い。このニュースのせいだ:
NIKKEI NET(日経ネット):主要ニュース-各分野の重要ニュースを掲載: "日米FTA、「締結」から「交渉促進」へ修正 民主、農業団体の反発で

 民主党の菅直人代表代行は7日の記者会見で、衆院選マニフェスト(政権公約)に明記した日米自由貿易協定(FTA)を巡る記述について、「締結する」から「交渉を促進する」と修正する方針を明らかにした。

 表現を弱めることで、日米FTA構想に猛反発する農業団体などに配慮した形。「食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない」との記述もマニフェストに追加する。

 全国農業協同組合中央会(JA全中)と全国農業者農政運動組織連盟は同日、民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)に掲げる日米自由貿易協定(FTA)締結への反対集会を都内で開き、全国から約500人の農業者らが参加。「日本の農業を崩壊に導くものであり、断じて認めることはできない」などとした決議を採択した。 (00:55)"
まったく池田信夫氏の言うとおりの展開となった。

池田信夫氏は言う:
農業を保護して日本経済を滅ぼす民主党
| エコノMIX異論正論 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
:

"民主党の農業所得補償は「バラマキだ」という批判が強いが、FTAによって農業の自由化を進めるための経過措置としてはやむをえないという擁護論もあった。しかし今回の方針転換でこの唯一のメリットもなくなり、残るのはバラマキだけだ。そもそも農家の所得は勤労者世帯より高い。なぜサラリーマンは、自分たちより豊かな農家を税金で「保護」しなければならないのか。"

これじゃ農業政策は自民党の石破茂にまかせた方が方がよっぽどまともだ。民主党を恐喝して「いいとこ取り」を実現させた農村利権集団は今夜は笑いが止まらないだろう。都市住民の味方であったはずの民主党には、大いに失望した。投票は考え直す。

自民党は、農村はあいつら民主党にまかせて、農村既得権益集団のエゴを抑えることで経済をいかにして活性化するかという政治に専念すれば、今まで農村に散々ぼられてきた都市住民の支持を固めることが出来るだろう。小泉の先例を見ればわかる。日本の政治もよほど分かりやすくなる。

自民党よ、農村票は民主党にくれてやれ!

8/8 Today 柳田國男が死ぬ(1962)

Wikipedia によれば:

柳田國男 - Wikipedia: "柳田 國男(やなぎた[1] くにお、1875年(明治8年)7月31日 - 1962年(昭和37年)8月8日)は日本の民俗学者である。兵庫県福崎町名誉町民第1号。正三位勲一等。

國男の問題意識と関心は常に歴史学と歴史教育にあった。「自分たちの一団が今熱中している学問は、目的においては、多くの歴史家と同じ。ただ方法だけが少し新しいのである」と述べた。そして「日本はこういうフォークロアに相当する新しい方法としての歴史研究をなすには、たいへんに恵まれたところである」としている。たとえば、ヨーロッパでは千年以上のキリスト教文明と民族大移動、そしてまた近代以降の産業革命の進展のためフォークロア(民間伝承、民俗資料)の多くが消滅ないし散逸してしまっているのに対し、日本ではそのようなことがなく現実のいたるところに往古の痕跡がのこっているというのである。 
言い換えれば日本にはフォークロアを歴史資料としてゆたかに活用できる土壌があるということであり、柳田民俗学とはこのような民間伝承の歴史研究上の有効性を所与の条件として構築されたものということができるのである。 
日本民俗学の祖としての功績は非常に高く評価できる反面、彼自身の性格・手法によって切り捨てられた民俗があることも指摘されている。例えば、性に関する民俗は言及を避けた。漂泊民、非稲作民、被差別民、同性愛を含む性愛、超国家的民俗など、國男は意図的に無視した"
要は「美しい日本」の元祖なのである。

そう考えれば、『海上の道』も理解できる:
『海上の道』 (沖縄・先島諸島の旅行記が『海南小記』)日本文化が沖縄諸島から南島づたいに伝播してきたという考察。沖縄には稲作文化がなかったことから発表当初は否定されたが、近年の考古学的・言語学的調査などにより南方からの影響もそれなりにはあったとされる。ただ、日本列島の文化を後に構成した要素の多くはやはりユーラシア大陸からもたらされたと近年では考えられている。また國男の「海上の道」論の背景には植民地問題もあったと指摘する研究もある。(村井紀『南島イデオロギーの発生―柳田国男と植民地主義』岩波現代文庫)
ともあれ、ヨーロッパではキリスト教、民族大移動、産業革命、宗教戦争など(付け加えればエンクロージャーも日本ではなかった)のおかげで散逸してしまった「古俗」が日本列島ではまだ観察できると言うことで、文化人類学的な研究対象としては日本列島は興味深い存在であることは確か。中にはまり込んでニッポン教の信者になってしまわない限り。

ガラパゴスの動植物やパンダみたいなものかもしれない。しかし、動物園に入れられるのは嫌だな〜。

2009年8月7日金曜日

8/7 Today 雄略天皇が死ぬ(479)

雄略天皇 - Wikipedia:”雄略天皇(ゆうりゃくてんのう、允恭天皇7年(418年)12月 - 雄略天皇23年8月7日(479年9月8日))は、第21代の天皇(在位:安康天皇3年11月13日(456年12月25日) - 雄略天皇23年8月7日(479年9月8日))。大泊瀬幼武尊(おおはつせわかたけるのみこと)、大長谷若建命・大長谷王(古事記)。大悪天皇・有徳天皇とも。また『宋書』・『梁書』に記される「倭の五王」中の倭王武に比定される。

倭王武の上表文には周辺諸国を攻略して勢力を拡張した様子が表現されており、熊本県玉名郡和水町の江田船山古墳出土の銀象嵌鉄刀銘や埼玉県行田市の稲荷山古墳出土の金錯銘鉄剣銘を「獲加多支鹵大王」と解しその証とする説が有力である。この説に則れば考古学的に実在が実証される最古の天皇である。”
文学史的にも実在が実証される最古の天皇であるね。ところが雄略天皇のY染色体(遺伝子)は今の天皇家に引き継がれていないのである。

万葉集の冒頭を飾る雄略天皇の歌:
籠もよ み籠持ち ふくしもよ みぶくし持ち この岳に 菜摘ます児 家聞かん 名告らさね そらみつ 大和の国は おしなべて われこそ居れ しきなべて われこそ座せ 我こそは 告らめ 家をも名をも -『万葉集』巻第一より-

美しい籠をもち、美しい篦を手に、この丘で菜を摘む娘よ、そなたはどこの家の娘か 名はなんというのか この大和の国を、隅々まで治めている、全てを支配しているこの私から、名をも家をも名乗ろう


こんな昔から連綿と続いている天皇家の血筋はとても貴重なものである:
「お世継ぎ問題、男系の男子でつなぐのには重大な意味がある」(竹内久美子): "日本の皇室は世界一長い歴史をもっている。しかもそれはほとんど同じYでつながっているという奇跡に近いこと。"


思わず納得してしまうが、しかし、雄略天皇の「男系遺伝子(Y染色体)」は雄略天皇その人の時代で途切れてしまっていることは往々にして無視される:
雄略天皇の血筋は男系では途切れているものの、皇女の春日大娘皇女が仁賢天皇の皇后となり、その娘の手白香皇女が継体天皇の皇后となり欽明天皇を産んでいることから、その血筋は現在まで続く事となった。

つまり「血筋」は続いているが「男系遺伝子(Y染色体)は続いていないのである。

Y染色体の継続を理由に女性天皇を否定する「科学的」根拠は、5世紀の時代ですでになくなってしまっているのだ。


2009年8月6日木曜日

「私は日本列島の人間以上に、地球、宇宙の中の人間だぞと思っている」(鳩山由紀夫)

ここ:
巨人のように奪回を維新を…鳩山由紀夫民主党代表インタビュー:社会:スポーツ報知: "わかったようで、さっぱりわからないのが、民主党の鳩山由紀夫代表(62)だ。ちょっとつかみどころがない雰囲気で、ついた異名は「宇宙人」。次期首相の座に最も近い政界の不思議ちゃんに、政権交代への思いからジャイアンツ愛まで、いろいろ聞いてみました。

 ―自分自身をどんな人間だと思っていますか?
「中学の頃から、最初はとっつきにくいと言われて敬遠される。でも実際に付き合うと、違うと。意外性の山倉(かつて“意外性の男”と呼ばれた元巨人の山倉和博捕手)じゃないんですがね、あはっ」

 ―はぁ…。
「鳩山という家柄(のイメージ)があるのかもしれませんが、そんな人間じゃないよと。ユッキー、宇宙人? そうそう、だから親しみやすい人間なんですよ~」

 ―かぶりもの「ユキオくん」もできた。
「ハッハ~。写真で見た。宇宙人は言い得て妙。地に足が着いてない様子をさしていて、必ずしもいい意味じゃないんでしょうが、私は日本列島の人間以上に、地球、宇宙の中の人間だぞと思っているのでうれしいなと思ってるんですよ。ユッキーなんてのも、親しみがなければ呼べない言葉でしょうから。むしろ光栄」"

これは「名言集」に収録。でも2chではネットウヨとノーソンオタクがこの発言に大憤激しているので、面白い。

その2ch板とは↓:
【政治】民主・鳩山代表「私は日本列島の人間以上に、地球、宇宙の中の人間だぞと思っているので宇宙人と呼ばれるのは嬉しい」


二番目、三番目の板も立っている。「非国民」だとか、「売国奴」だとか、だんだん激高感が強まっているのが興味深い。

つい思い出したのは内田樹氏の指摘:
「(集団に属さないことの不利益に気が付き)愕然として、思わずしがみついた先がナショナリズムなのである」(内田樹)


ニッポン制度とはニッポン人であるというだけでそこそこの生活が平等に保障されるというシステム。生産性が極度に悪くとも、オタクでも、引きこもりでも、オンブに抱っこでなんとか食えるのがニッポンシステム。彼らは、おなじニッポン人だから当たり前だと言うが、本当の意味での「隣人愛」とか「人間はみな平等」とか「人類みな兄弟」とか言う気持ちはハナからない(あるのは「おいらニッポン人がよければそれでいい」と言うエゴばかり)。

エドワード・リンカーンの試算によれば日本人の55%は何らかの既得権集団に属するという。これでは社会にナショナリズムが蔓延し、社会が近視眼的になり、保守化・停滞化し、みんなが頼りの綱として信じてきた「ニッポン」がますますダメになり、ニッポン人がみんな一緒に貧しくなっていくというメカニズムは避けられないのである。

「宇宙人」こそいま必要とされている指導者ではないのか。

2009年8月5日水曜日

NHKクロ現:ペットは泣いている~激安競争の裏側で~

クローズアップ現代 NHK8月5日(水)放送 ペットは泣いている~激安競争の裏側で~: "右肩上がりの成長を続けてきたペット産業。そこに今、価格破壊の波が押し寄せている。不況の影響で消費が冷え込む一方、インターネットを通じてペットを販売する業者の新規参入が相次ぐなど、販売業者は増え続けている。このため、価格競争がエスカレートし、そのしわ寄せはペットを直撃している。コストを削減するために、繁殖犬に十分なエサも与えず、年に何回も子犬を産ませる"パピーミル(子犬工場)"と呼ばれる悪質な業者も登場。一方で、飼い主の中にも、安易な理由でペットを手放してしまう人たちがあとを絶たず、毎年、10万頭あまりの犬が行政によって処分されている。人間の都合に翻弄されるペットをどのように守っていけばよいのかについて考える。"
またNHKは市場主義が悪いとか、グローバル経済が問題だとか、もっと規制を強化しなくてはいけないとか、そういう結論に誘導するのかと思ってみていたら、わりかしまともな番組だった。ゲストの動物愛護協会の人がいっていたように、ニッポン人の文化レベルが低すぎるというのが結論。

それにしてもこの番組のリードはいったい何だ。まるでトンチンカンじゃないかな。これはウケを狙ってのNHKスタッフの暴走か?それとも(大いにあり得るところだが)NHKとしてはそういう方向に番組を持っていきたかったのに、良識派のゲストのおかげでそれが果たせなかったと言うことか。

それとは別に、おいらとしては、たかが子犬や子猫に50万円ものお金を払うバカがいたことにおどろいた。今やその値段は数万円にまで下落しているという。それでも高い。イヌとかネコとかは、タダで貰ってくるものなのである。

同じことが、得意がって一個10万円のマンゴーやメロンを消費者に売り付ける農業関係者にも言えるのではないか。なんとか鯖や、○○マグロ、××産なんとかヒカリについても同じ。高値で売れるからといって、猫も杓子もみんながいっせいに算入する。もちろんバブルは長続きしない。待っているものは地獄である。バブルに踊っている関係者は、すべからく心してみるべき番組であった。「まっとうなものをまっとうな値段でたくさん供給する」……こういうあたりまえのことがあまりにも無視され続けてきた結果が、現在のニッポン農業である。人為的に作り上げたバブルに踊り狂うだけの産業は、必ず破滅する。

8/5 Today マリリン・モンローが死ぬ(1962)

マリリン・モンロー - Wikipedia: "マリリン・モンロー(Marilyn Monroe, 1926年6月1日 - 1962年8月5日)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス出身の女優。本名ノーマ・ジーン・モーテンセン(Norma Jeane Mortensen)、その後改名してノーマ・ジーン・ベイカー(Norma Jeane Baker)。"



合掌。

2009年8月3日月曜日

8/3 Today ジョセフ・コンラッドが死ぬ(1924)

ジョゼフ・コンラッド - Wikipedia: "ジョゼフ・コンラッド(Joseph Conrad, 1857年12月3日 - 1924年8月3日)はイギリスの小説家。ジョウゼフ・コンラッドとも表記。海洋文学で知られる。作品には、『闇の奥』、『ロード・ジム』、『ナーシサス号の黒人』、『文化果つるところ』、『密偵』などがある。"
好きな小説家だが、Wikipedia を読んで知らないことだらけだったので驚愕。おいらはまだまだ無知だ。

まず、彼はポーランド人だったのだ:
本名テオドル・ユゼフ・コンラト・コジェニョフスキ(Teodor Józef Konrad Korzeniowski)としてベルディチフ(当時ポーランド、現ウクライナの一部)に生まれる。父親は没落貴族の地主階級で、ロシア占領下のポーランドにおいて独立運動を指導していたが摘発。捕らえられシベリアでの強制労働に処され、このときコンラッドは5歳だった。一家は北ロシアに移動し、その直後に流刑の地にて、コンラッドの母親は結核で死亡した。やがてポーランドへの帰国が許されたにも関わらず、4年後には父親も死亡し、コンラッドは叔父に引き取られた。父親は文学研究者でもあり、幼少期のコンラッドは父親所有の本を耽読していた。海洋文学に出会い感化されたのも父親の影響だった。


こいつも知らなかった:
1899年、小説『闇の奥(Heart Of Darkness)』を発表。西洋文化の暗い側面を描写したこの小説は、英国船時代にコンゴ川で得た経験を元に書かれた。この小説はオーソン・ウェルズが映画化の構想を持ったが実現せず、1979年に映画監督フランシス・フォード・コッポラによって翻案され『地獄の黙示録』として映画化された。


今週はコンラッドでも読むか。図書館に何冊あるか、それが問題だ。

2009年8月2日日曜日

東海道クルマ膝栗毛……新しい名神高速が出来ている!

昨夜、鴨川松原橋近くの某所で鱧を鱈腹食う。昔はウマイとも思わなかったものだがなぜか食いたくなった。歳なのか。

関西は久しぶりだったが、いろいろ新発見があった:

  1. 泊まったホテルの庭で偶然石川九揚(木偏)の筆跡を見つける。「春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえてすずしかりけり」とある。道元禅師の句。このホテル(京都国際)は、洛中にありながら庭園のセンスが良く、広い駐車場スペースがあり、LAN回線付きの安いシングルも揃えているので、クルマで京都に行く人にはおすすめ。
  2. 帰路、名神草津ICの当たりに「新名神」なる表示があった。こんな高速道路が出来ているのだ。おいらじぇんじぇん知らなかった。おいらには道があると先まで言ってみたくなるという野次馬性分があり、さっそく行ってみる。新名神、東名阪道路、伊勢湾岸道を経て豊田ICで東名とジョインする。数十キロは短いようだ。でも東名は混んでいるし景観が単調なので眠たくなる。結局中央高速の往路よりも長く時間が掛かってしまった。料金は同じく「1050円」。雪が積もる冬場はいいかも知れない。
  3. それにしても草津から亀山JCTあたりまで、人家が一軒も見えない。近畿地方にもあんな「秘境」が残っていたんだ!
  4. この「新名神」は、おいらのカーナビには載っていなかった道路。データは最新版のはずだったんだけどな〜。これに限らず東京を離れるとカーナビに載ってない「新道路」が数多くある。ニッポンの道路族は依然として頑張っているのだ。新名神は需要があるからいいけどね。
  5. 今回の石川九揚の石碑の発見といい、新名神の探検といい、葛飾で散歩中大田南畝の石碑を偶然見つけたり、出くわした小川の流れ行き先を日暮れまで追い続けるという永井荷風の戦後の小品「葛飾土産」的東海道膝栗毛でありました。

8/2 Today カエサルが「来た、見た、勝った(Veni, vidi, vici.)」と書き送る(BC47)

ガイウス・ユリウス・カエサル - Wikipedia: "エジプト平定後、カエサルは親密になったクレオパトラとエジプトで過ごしたが、小アジアに派遣していたグナエウス・ドミティウス・カルウィヌスが、ポントス王国のファルナケス2世に敗北したという報せが届いた。紀元前47年6月、カエサルはエジプトを発ち、途中でポンペイウスの勢力下だったシリアやキリキアを抑えつつ進軍、同年8月2日、ゼラの戦いでファルナケスを破った。この時、ローマにいる腹心のガイウス・マティウスに送った戦勝報告に、「来た、見た、勝った(Veni, vidi, vici.)」との言葉があった。

紀元前46年夏、ローマへ帰還したカエサルは、市民の熱狂的な歓呼に迎えられ、壮麗な凱旋式を挙行した。カエサルはクレオパトラをローマに招いており、クレオパトラはカエサルとの間の息子とされるカエサリオンを伴っていた。紀元前45年3月、ヒスパニアへ逃れていたティトゥス・ラビエヌスやポンペイウス兄弟らとのムンダの戦いに勝利して一連のローマ内戦を終結させた。"


ハゲで女たらしで浪費家だったが、抜群の結果を残した政治家だった。非常時にはこういう人物が出現することが必要。こうした指導者を決して出現させないように制度化された「ポリティカリーコレクト」な社会は、必ずぽしゃる。

2009年8月1日土曜日

高速道路代1050円で京都まで着いた!

休日土日の高速道路1000円制度が始まって、おいらも人並みに恩恵に授かりたいと、わざわざ山中湖をスタート地点として京都まで行ってみる(東京からスタートすると、大都市住民に対する差別的適用除外があるし、さらに東京脱出料金・首都高が別料金でボラれるので、メリットが少ない)。

いいですね〜、朝9時に出て東富士五湖道路、中央高速、名神高速と465キロ走り、途中で交通渋滞や大雨などあったけれど、休憩・給油時間込みで、2時半には京都のホテルにチェックインできた。京都東ICを出るとき表示された料金はたったの「1050円」。これに限らずニッポンではイナカに住んでいると得することが多いのである。でもこの半端の「50円」はなんだろう?

ネットで調べると、同じく「1050円」問題で悩んでいる人が結構居る。今回設定された上限1000円の値段は消費税込みの価格。なぜ50円余分になるのか理由が分からないのである。多分公団側の「バグ」だろうとのみんな原因追及をあきらめているようだ。公団HPには料金所での表示金額はいい加減なので信用するなとの記載があるので正式請求時には1000円となっているのだろう。この辺のいい加減さが、お役所的とも言えるな〜。